Mark2 拡張ファームウェア
導入方法・設定方法

ファームウェアのダウンロード

• ファームウェア一式(20151231版) をダウンロード・解凍して、中のファイルを mbed へコピーします。
• 必要ファイル全てを同梱していますので、まっさらな mbed に入れても大丈夫です。
  (オリジナル版を最初に入れる必要はありません)
• mbed 内に GEIGER-2.bin 等の拡張子 bin を持つ別ファイルがあると誤動作しますので、予め削除しておいてください。重要
  別に bin があることに後で気がついて当ファームウェアがうまく動作しなくなってしまったときは、いったん mbed 内の全ての拡張子 bin を削除して mbed をリセットし、改めて上記ファームウェア内の geiger.bin を入れてから mbed をリセット、という手順を取りますと正常な状態に戻ります。
• 古いバージョンからアップグレードされる方は geiger.bin のみ上書きで大丈夫です。
  特に、ci-3bg.ini、SBM-20.ini、J408.ini などはオリジナル版から全く変更ありません。
  もし校正した値に書き換えているときは、上書きしないで下さい。
  上書きすると、初期値に戻ります。
• 使用条件や更新履歴などは解凍したファイルの中にある readMe.txt に書かれていますが、細かい更新経緯を知りたい方は ブログの記事一覧 からご覧下さい。

動作パラメータの編集

• メモ帳などでファイルを編集します。mbed のリセットボタンもしくは電源 OFF/ON で変更内容が適用されます。
• 項目名は大文字小文字を区別しません。
• 項目の並び順は問いません。
• 文字列項目値に全角文字(漢字)を含む場合には UTF-8 形式で保存してください。（シフトJIS形式で保存すると文字化けします）
• 上記の配布ファームウェアの中の設定ファイルでは、ごく標準的な設定（GPSなし、DHCPからアドレス取得、内蔵フラッシュディスクに10分おきにログ記録、Twitter・Pachube・WebPost は未使用、省電力未使用）で予め設定が書かれていますので、何も編集しなくても最低限の動作はします。

全体的な設定(env.ini)

• savePower=2 の省電力自動切換モードでは、起動直後に LAN 線が刺さっていてハブやルーターのリンクが張れているかどうかを判定して切り替えます。
  LAN線が刺さっていれば通常モード、刺さっていなければ省電力モードとして起動し、どちらのモードで起動したかは液晶画面に表示されるバージョン表記の記号で判別できます。
  リチウム電池を装着していて時々モバイル測定もされる方は、savePower=2 がお奨めです。
• 普通に省電力モードを有効にしただけではクロックダウンとLAN停止のみ働き、USB停止が機能しません。別に USB停止に対応するためのファームウェアの導入が必要 です。
  拙作のファームウェアよりも更に奥のファームウェアですが、導入方法は同じです。あとで メーカー出荷ファームウェア にも戻すことも可能です。
  また、USB停止に対応するファームを導入した場合であっても、USBケーブルを挿した状態で電源を入れるとUSB停止が機能せずUSBが有効になります。
  USBも停止させた最大限の省電力で動作させる場合には、ACアダプタ(EIAJ#2の口)から給電する必要があります。(PSP用のものが使用可)
  USBを停止させると内蔵フラッシュディスクへのアクセスも不能になりますので、Loggingサービスなどで内蔵フラッシュディスクを利用する設定になっている場合には、USB停止を行いません。
• Twitter/Pachube/Logging/WebPost/UdpSend/APRS については、それぞれに動作用の設定ファイルを別に用意し、そのファイル名を env.ini のそれぞれに指定することで有効になります。
• 冷間時などに Mark2 が起動不良（0cpm/0μSv）を起こす場合、stepVolt=5 を入れていただくと起動不良が緩和します。（完全ではありませんが）
• Bluetooth 関連は NMEA設定ファイル（GPS形式のログを出すとき） もしくは SERIAL 設定ファイル（テキスト形式のログを出すとき） で定義します。

Twitter 設定ファイル

測定値を Twitter を使って呟きます。
経由するプロキシとて SuperTweet または StewGate を利用できます。
書式（format） に日本語を含める場合には、設定ファイル自体を UTF-8 形式で保存してください。（シフトJIS形式だと文字化けします）

SuperTweet 利用時

• オリジナル版と同じく SuperTweet を介して Tweet します。
  ID や PASS の具体的な設定に関しては オリジナル版の説明 をお読み下さい。
• tweet_usv を指定すると、その線量値を超えたときのみツィートします。

StewGate 利用時

• token は StewGate-1 から取得できます。
• 1つの設定ファイルの中では SuperTweet と StewGate は併用できません。
  SuperTweet 向け項目である id/password と StewGate 向け項目 token を両方記述したときは、StewGate で動作します。
• Twitter サービスに3つの条件を指定できることを利用して、SuperTweet と StewGate とを別設定ファイルで定義して、同時利用することは可能です。
• tweet_usv を指定すると、その線量値を超えたときのみツィートします。

Xively（旧Cosm） 設定ファイル

測定値を Xively（旧Cosm）へ Feed します。

• オリジナル版と比較して μSV/h も Feed できるように機能拡張していますが、基本的な設定方法はオリジナルと同じです。
  具体的な設定に関しては オリジナル版の説明 をお読み下さい。
• 「直近10分間」は env.ini 内「移動平均の標準分数 」、「直近60分間」は env.ini 内「移動平均の長時間分数 」の指定と連動しています。
• pachube.com では項目IDは数値でしたが、cosm.com 以降からは半角文字が定義できるようになりました。

Logging 設定ファイル

測定値をファイルにログ記録します。

• 内蔵フラッシュディスクに記録するときは、path を /local/～ と、microSD に記録するときには /sd/～ とします。
  ファームウェア一式の中に含まれている logging.cfg の中にコメント説明も加えてありますので、一緒に御覧下さい。
• 書式（format） に日本語を含める場合には、設定ファイル自体を UTF-8 形式で保存してください。（シフトJIS形式だと文字化けします）
• 内蔵フラッシュディスクに記録する設定のときには、最大省電力モードにはなりません。

WebPost 設定ファイル

測定値を任意の Web サーバーに送信します。

• 送信項目の選択はできません。(送信項目は「使用できる書式パラメータ」の欄で併記しています)
  不要な情報は受信側のサーバーで切り捨ててご利用下さい。
• URL の中にパラメータ書式を指定しますと GET ぽく送信することもできますが、その場合であっても POST 形式で既定の送信も一緒に行われます。
• ファームウェア一式の中に含まれている webpost.cfg の中にコメント説明も加えてありますので、一緒に御覧下さい。

UdpSend 設定ファイル

測定値を任意のホストに UDP パケットで送信します。
Syslog サーバーで受信することができます。

• 書式（format） に日本語を含める場合には、設定ファイル自体を UTF-8 形式で保存してください。（シフトJIS形式だと文字化けします）

APRS 設定ファイル

APRS Geiger として測定値を送信します。

• この機能を利用する場合は、無線局の開局および申請が必要です。
  詳しい設定方法に関しましては ELGeiger APRS をご覧下さい。

NMEA 設定ファイル

NMEA形式（一般的なGPSロガーが採用している書式）のデータをフラッシュディスクやシリアルポートに出力します。
位置情報に加えて線量情報も DMDRT センテンスとして出力します。

UdpSend 同様に Syslog サーバーで測位データを受信することができます。

• 軌跡ファイル(NMEA)は、1回に約250バイトのデータ(1秒おき1時間で約900KB)を生成します。
  十分に空き容量のある microSD カードに保存して下さい。
  やむを得ず内蔵フラッシュディスクを保存先に使う場合には、空き容量から逆算した時間に留めるとともに、パソコンと接続させるときには GPS が衛星を捕捉しない環境を選んで下さい。GPS が位置データを受信すると内蔵フラッシュディスクに書き込み処理が行われますが、このタイミングでパソコンとの接続が途切れます。
  押しボタンを装着させている場合には、ボタンを押しながら起動することで mbed が動作しないメンテナンスモードに入れますが、そうでない場合には、かなり利用が制約されますので御注意ください。
  ボタンがない状態で、パソコンから見えなくなってしまったときには、mbedのリセットボタンを押しっぱなしに電源ONし、かつ、その後もずっとリセットボタンを押し続けたままにしていれば、なんとか認識します。
  
• Bluetooth モジュールに出力する際には、モジュールと通信速度を合わせてください。
• ファイル出力とシリアル出力とUDP送信は共通の interval で動作します。
• 後述の SERIAL 設定と同じピン番号を指定しての共用も可能ですが、双方のデータが混じりますので御注意ください。
• 内蔵フラッシュディスクに記録する設定のときには、最大省電力モードにはなりません。

Serial 設定ファイル

テキスト形式（LoggingサービスやUdpSendと同様）のデータをフラッシュディスクやシリアルポートに出力します。

• シリアル出力シリアルは受信側デバイスと通信速度を合わせてください。

MQTT 設定ファイルNEW

測定値を任意の MQTT Broker  に送信(Publish) します。

• 書式（format） に日本語を含める場合には、設定ファイル自体を UTF-8 形式で保存してください。（シフトJIS形式だと文字化けします。また、brokerがUTF-8に対応してる必要があります。）
• topic・payload・headerにのみ拡張書式(%username%)を指定でき、指定したときユーザー名に置換されます。

ADC 設定ファイル

温度計や湿度計など、測定値を電圧として表すセンサー類の測定を行います。
0～3.3V の範囲の電圧を測定し、指定された定数を用いて変換計算した結果を測定値として用います。

具体的な設定例は 当時の記事 のほうが詳しいので、併せてご覧下さい。

直線出力のセンサー（スプライン補正を行わない場合）

• 測定値　＝ （測定された電圧 ÷ 3.3） ×　65535　÷　caribration　＋　offset　という内部計算に用います。

非直線出力のセンサー（スプライン補正を行う場合）

• 最低2点の基準点における測定値とその時の電圧値との関係を記述します。
  
• 基準点が多ければ多いほど誤差が少なくなります。

使用できる書式パラメータ

• Twitter/Logging/WebPost/UdpSend/NMEA/Serial サービス利用時にファイル名や出力書式の中で使える項目です。

累積カウント数(F_COUNT)と稼働時間(UPTIME)を御活用ください

• 任意の期間の cpm ＝ （F_COUNT の 差）÷（UPTIME の差）× 60
  その期間の μSV/h ＝ cpm ÷ GM_CARIB ＋ GM_OFFSET_uSV です。

ファームウェアのダウングレード

• mbed の仕様となりますが、内蔵フラッシュディスクの geiger.bin ファイルを直接読み込んで実行しているわけではなくて、起動時に bin ファイルを別にある実行プログラム配置用のフラッシュROM？にコピーして動いているぽいです。
  その際に、タイムスタンプの比較をやっていて古い日付の bin ファイルはフラッシュROMにコピーされない仕組みのようで、バージョンの古い(もしくはオリジナル版)に戻そうと geiger.bin を入れても無視されてしまいます。
  その場合、いったん内蔵フラッシュディスク内の bin ファイルを削除して mbed をリセット、そのあとで動かしたい bin ファイルを入れて再度リセット、という手順を踏むと古いタイムスタンプの bin ファイルが有効になって起動されるようです。